大須で味わう
薪窯ピッツァ

世界一の味を1,000円以下で!?大須「ソロ ピッツァ ナポレターナ」のマルゲリータが感動の嵐名古屋・大須。多国籍な文化と活気、そして歩くたびに鼻腔をくすぐる多彩な食の匂いが入り混じるこの街。その中心部、大須観音からもほど近い路地に、まるでナポリの街角がそのままワープしてきたかのような、熱烈なオーラを放つ場所があります。
それが「ソロ ピッツァ ナポレターナ 大須本店」です。正直に白状しますが、初めてこのお店を訪れるまでは、「世界チャンピオンの店といっても、どうせ有名税が乗った観光客向けのお店でしょ?」なんて、少し冷めた偏見を持っていたんです。でも、一口そのピッツァを頬張った瞬間、自分の浅はかな考えを猛烈に反省することになりました。それまでの人生で食べてきたピザがすべて過去の思い出に変わるほどの、鮮烈な衝撃を受けたからです。
今日は、大須の喧騒の中で出会った「世界一の称号」が持つ本当の意味について、余すことなくお伝えします。
世界を驚かせた「パスクアーレ」の魂が宿る場所まず、このお店の凄みを語る上で絶対に外せないのが、オーナーである牧島昭成(パスクアーレ・マキシマ)氏の存在です。彼は2010年、本場ナポリで開催された世界ピッツァ選手権において、イタリア人以外の外国人として初めて優勝し、世界一の称号を手にした正真正銘のレジェンド。店内にはその輝かしいトロフィーや、ナポリの巨匠たちとの写真が所狭しと飾られ、そこが単なるピザ屋ではなく「ナポリピッツァの聖地」であることを無言のうちに物語っています。お店のシステムは、本場のスタイルに則った「セルフサービス」。カウンターで注文し、名前や番号が呼ばれるのを待つ。この過度な装飾を削ぎ落としたカジュアルさが、かえって「本場ナポリの日常」を肌で感じさせてくれて、待っている間もワクワクが止まりません。
薪窯の炎が魔法をかける、至高の2分間今回私がオーダーしたのは、不動の看板メニューであり、世界一に輝いた味を象徴する「マルゲリータ エクストラ」です。運ばれてきた瞬間、まず目を奪われるのがその圧倒的な「美しさ」と「力強さ」。ナポリから取り寄せられた巨大な薪窯の中で、500度近い高温で一気に焼き上げられた生地。そのコルニチョーネ(縁の部分)は、まるで生き物のようにふっくらと盛り上がり、香ばしい焦げ目(レオパード・スポット)が美しく散りばめられています。一口かじれば、もう逃げ場はありません。驚くのは、その生地の「引き」と「軽さ」の絶妙なバランスです。外側はサクッと香ばしく、中はモッチモチ。それでいて、口当たりは驚くほど軽く、小麦の芳醇な香りが一気に鼻を突き抜けます。この生地こそが、ナポリピッツァの伝統的な規約(STG)を守り抜き、厳選された小麦粉、水、塩、酵母だけで作り上げられた職人技の結晶。そこに、最高級の水牛モッツァレラチーズの濃厚でクリーミーなコク、そしてサンマルツァーノトマトのフレッシュな酸味が加わります。通常のマルゲリータとの違いは、この「水牛」の乳ならではの圧倒的なコク。噛むほどに旨味が溢れ、バジルの爽やかな香りが後味を上品に締めくくる……。これぞ、完璧な三位一体。正直、これほどのクオリティのものが1,000円前後で提供されているというのは、一種の事件と言っても過言ではありません。大須の活気が、最高の調味料になる店内は常に活気に満ち溢れ、窯から薪が爆ぜるパチパチという音や、職人たちのイタリア語の掛け声が、まるで心地よい音楽のように響いています。お洒落なレストランでスマートに食事をするのもいいけれど、ここではぜひ、手で豪快に、熱々のうちに頬張ってほしい。テラス席に腰を下ろし、大須商店街を行き交う人々を眺めながら、片手には本場のピッツァ、もう片手にはイタリアのビールやエスプレッソ。そんな贅沢な時間が、この街には当たり前のように存在しています。
「美味しいピッツァなんて、どこも同じでしょ?」と思っているあなたにこそ、この一枚を食べてほしい。大須の路地裏で待っているのは、あなたのピッツァ観を根底から塗り替え、名古屋にいながらにしてナポリの風を運んでくれる、奇跡のような食体験です。一口食べれば、あなたの心は一瞬で名古屋を離れ、地中海の陽光が降り注ぐナポリの海岸へと羽ばたいていくはず。次に大須を訪れるときは、迷わずあの煙突から立ち上る薪の匂いを目指してみてください。世界一の称号は、伊達ではありませんよ。
